掲載日:令和8年10月21日
厚生労働省は、介護施設や介護サービス事業所で事故が発生したときの報告方法を見直すと発表しました。
今回の見直しでは、全国の事故情報をまとめて管理する新しいシステムの導入と、事故報告書の書き方を全国で統一することが予定されています。
目的は、事故の原因を詳しく調べ、同じような事故が繰り返されないようにすることです。
現在、介護施設などで事故が起きた場合、事業所は市区町村などに事故の内容を報告しています。
しかし、全国の事故情報をまとめて集め、分析する仕組みが十分に整っていないという課題があります。
そこで、厚生労働省は「介護現場における事故情報報告システム」という新しい仕組みを作ることにしました。
新しいシステムは、令和9年(2027年)4月頃から動き始める予定です。
このシステムは、すでにある「介護サービス情報公表システム」の一部として作られます。
全国の事故情報を集めて分析し、事故を防ぐために役立つ情報を介護現場に伝えることを目指しています。
新しいシステムでは、全国の事業所が同じ内容を報告できるようにする必要があります。
そのため、厚生労働省は事故報告書の新しい様式案を公表しました。
主な報告内容は、次のとおりです。
これまでの報告書にも同じような項目はありましたが、新しい様式案では、チェックする項目や記入する欄が整理されています。
特に、事故が起きたときの経過、原因、再発防止策を詳しく記録できるようになっています。
新しい報告書では、事故がなぜ起きたのかを整理するための項目が設けられています。
例えば、次のような点を確認します。
また、事故が利用者の日常生活の動作中に起きたものなのか、職員が介助しているときなどに起きたものなのかも区別します。
こうした情報を整理することで、事故の原因を見つけやすくし、再発防止につなげることが期待されています。
新しい報告書の様式案では、最初の報告について、事故発生後できるだけ早く、遅くとも5日以内を目安に提出することが示されています。
最初の報告では、事業所や利用者の情報、事故の概要、医療機関での対応、事故後の状況など、報告書の1~6の項目をできる限り記入します。
その後、事故の原因や再発防止策などを整理し、必要な内容を追加して報告します。
なお、5日以内という期間は今回新しく設けられたものではなく、これまでの報告書でも示されている目安です。
実際の報告では、各自治体が定めるルールも確認することが大切です。
今回公表された報告書は、まだ正式に決まったものではなく、見直しの途中にある案です。
そのため、すぐに新しい報告書へ切り替える必要があるというお知らせではありません。
ただし、今後の変更に備えて、介護事業所では次のような準備をしておくとよいでしょう。
また、報告書の様式案にある項目を参考にして、普段の事故記録に不足している情報がないか確認することも役立ちます。
今回の見直しで特に大切なのは、事故を報告するだけで終わらせず、集めた情報を次の事故の防止に役立てるという考え方です。
例えば、全国の介護施設から転倒事故の情報を集めれば、どのような場所や状況で転倒が起きやすいのかを調べることができます。
その分析結果を介護現場で共有することで、ほかの施設でも同じような事故を防ぐ対策を考えやすくなります。
事故の情報を全国で共有し、介護サービスをより安全なものにしていくことが、新しい仕組みの大きな目的です。
厚生労働省は、介護現場で発生した事故の情報を全国で集め、分析するため、新しい事故報告システムを導入する予定です。
開始時期は令和9年(2027年)4月頃とされており、それに合わせて事故報告書の様式も見直されます。
ただし、今回公表された報告書は現時点での案であり、今後内容が変更される可能性があります。
介護事業所では、今後のお知らせを確認しながら、事故の記録方法や職員間の情報共有、再発防止の取り組みを見直しておくことが大切です。
詳しい内容や事故報告書の新旧比較については、厚生労働省の資料をご確認ください。
厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1548(介護現場において事故が発生した際の報告について)」