出典:厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1547」

掲載日:令和8年10月21日


福祉用具の購入費や住宅改修費の情報を全国で集める仕組みへ

厚生労働省は、介護保険を利用した福祉用具の購入費や住宅改修費について、全国の支給状況を正しく把握できるようにするため、介護保険システムの見直しを検討すると発表しました。


今回の見直しでは、市区町村が持っている支給情報を全国で集め、介護保険の制度改善に役立てることを目指しています。


新しい仕組みは、令和10年(2028年)4月からの運用開始を予定しています。


なぜシステムの見直しが必要なの?

現在、介護保険では、福祉用具の購入や自宅の改修にかかった費用について、市区町村が必要と認めた場合に、費用の一部が支給される仕組みがあります。


例えば、次のようなものが対象になります。

  • 介護に必要な福祉用具の購入
  • 自宅に手すりを取り付けるなどの住宅改修

これらの費用は、利用者がいったん支払い、後から介護保険で認められた金額を受け取る「償還払い(しょうかんばらい)」などの方法で支給されています。


しかし、現在の仕組みでは、国保連(国民健康保険団体連合会)に支払いの事務を任せていない市区町村の支給情報が、国のデータベースに十分に集まっていません。


そのため、全国でどのくらいの福祉用具購入費や住宅改修費が支給されているのか、正確に調べることが難しい状況です。


どのような仕組みに変わるの?

厚生労働省は、この問題を解決するため、主に次のような変更を検討しています。


① 支給情報を全国で集められるようにする

国保連に支払いの事務を任せていない市区町村についても、福祉用具の購入費や住宅改修費の支給情報を国保連へ送る仕組みを検討します。


これにより、全国の支給状況をまとめて確認できるようにすることを目指します。


② 情報を送る機能を必須にする

現在は任意となっている、市区町村から国保連へ支給情報を送るシステムの機能を、必須にする方向で検討します。


③ 申請書や関連システムを見直す

福祉用具購入費や住宅改修費の申請書に記載する項目を見直すほか、情報をやり取りするためのシステムの改修も検討します。


なお、国保連に支払いの事務を任せること自体を必須にする予定はありません。また、市区町村が申請内容を確認し、支給を決定する流れも変更しない方針です。


今後のスケジュールは?

厚生労働省が示した現時点での予定は、次のとおりです。


  • 令和8年(2026年)11月:介護保険システム等標準化検討会で検討
  • 令和9年(2027年)1月:介護保険システムの標準仕様書を改定
  • 令和9年度(2027年度):関連するシステムを改修
  • 令和10年(2028年)4月:新しい仕組みの運用開始

令和10年4月以降に申請されたものから、新しい仕組みを使い始めることが想定されています。


ただし、これらは現時点の予定です。実際の開始時期や詳しい内容については、今後、厚生労働省から改めて案内される予定です。


利用者や介護事業所への影響は?

今回の発表は、主に市区町村や国保連が使うシステムの見直しに関するものです。


そのため、現時点では、福祉用具の購入費や住宅改修費について、利用者への支給方法や、市区町村による支給決定の流れを変更する予定はありません。


一方で、申請書の項目などは見直される可能性があります。


福祉用具の販売事業者や住宅改修に関わる事業者、ケアマネジャーなどは、今後の申請書類や手続きに関する案内を確認しておくとよいでしょう。


まとめ

今回の発表は、福祉用具の購入費や住宅改修費の支給情報を全国で集め、介護保険制度の改善に役立てるためのシステム見直しについてのお知らせです。


全国の支給状況を把握できるようになることで、介護保険のお金がどのように使われているかを分析し、今後の制度見直しに活用することが期待されています。


新しい仕組みは令和10年4月からの開始を予定していますが、詳細はまだ決まっていません。


市区町村や介護関係事業者は、今後発表されるシステムの変更内容や申請手続きの案内に注目しておくことが大切です。


詳しくは、厚生労働省の資料(介護保険最新情報 Vol.1547)をご確認ください。