出典:厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1535」
掲載日:令和8年8月14日


「介護サービス情報の公表」制度が改正されました

厚生労働省は、介護サービスを利用する人が、自分に合ったサービスを選びやすくするための「介護サービス情報の公表」制度について、調査票などを改正しました。


今回の通知では、介護サービス事業所の情報だけでなく、地域包括支援センター、有料老人ホーム、配食や見守りなどの生活支援サービス、認知症の相談窓口についても、情報を分かりやすく公表することが示されています。


「介護サービス情報の公表」制度とは?

介護サービスを利用するとき、利用者や家族は「どこの事業所を選べばよいのか」と迷うことがあります。


そこで、介護サービス事業所のサービス内容や運営状況などを公表し、利用者が事業所を比較して選べるようにするのが「介護サービス情報の公表」制度です。


この制度によって、利用者が必要な情報を知り、自分に合った介護サービスを選びやすくすることを目指しています。


今回の改正で何が変わるの?

今回の通知では、「介護サービス情報の公表」制度で使用する基本情報調査票や運営情報調査票などが改正されました。


また、介護サービスだけではなく、高齢者の生活を支えるさまざまな情報を、同じ「介護サービス情報公表システム」で確認しやすくすることが示されています。


介護サービス事業所が報告する情報

介護サービス事業所は、基本情報や運営情報などを報告します。


基本情報には、事業所の名称や所在地など、事業所についての基本的な情報が含まれます。


運営情報では、サービスを適切に提供するための仕組みや取り組みなどについて確認します。


また、一定の条件に該当する事業者は、財務状況が分かる書類も報告することになっています。原則として、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書などの財務諸表を提出します。


なお、事業所単位で会計処理をしていないなど、やむを得ない場合には、法人単位で公表することも認められています。


誰が情報を確認するの?

報告された情報について、必要に応じて調査が行われます。


調査では、事業所を訪問して担当者に話を聞いたり、書類や記録を確認したりします。都道府県などが適切と判断した場合には、オンライン会議システムなどを使って調査することもできます。


大切なのは、この調査が「事業所の良し悪しを評価するためのもの」ではないということです。


公表しようとしている情報について、本当にその情報の根拠となる事実があるかを確認することが、調査の目的です。


公表された情報はどこで見られる?

介護サービスの情報は、インターネットの「介護サービス情報公表システム」で公表されます。


たくさんある事業所の中から、利用者が必要な情報を探し、比較できるようにすることが目的です。


インターネットだけでなく、利用者から希望があった場合には、紙での情報提供や閲覧にも対応します。


地域包括支援センターの情報も公表

今回の制度では、地域包括支援センターについての情報も公表します。


地域包括支援センターは、高齢者の介護や生活について相談できる身近な窓口です。


公表される情報には、次のようなものがあります。


  • 名称・所在地
  • 営業日・営業時間
  • 担当する地域
  • 職員の職種・人数
  • 事業の内容・活動実績
  • その他、市町村が必要と認める情報

これらの情報を公表することで、高齢者や家族が「どこに相談すればよいのか」を探しやすくなります。


有料老人ホームの情報も検索しやすく

有料老人ホームについても、介護サービス情報公表システムで情報を掲載・検索できるようになっています。


これまでは都道府県などがそれぞれの方法で情報を公表していましたが、全国の有料老人ホームを検索し、詳しい情報を確認しやすくすることが目的です。


公表する情報は、有料老人ホームの「重要事項説明書」の内容を基本としています。


配食・見守りなどの生活支援情報も公表

介護保険のサービスだけでなく、高齢者の生活を支えるサービスについても情報を公表します。


たとえば、次のようなサービスです。


  • 配食サービス
  • 見守りサービス
  • 食材の配達
  • 家事援助サービス
  • 介護保険外の生活支援サービス
  • 介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型・通所型サービスなど

高齢者が住み慣れた地域で生活を続けるためには、介護サービス以外の支援も重要です。そのため、こうした情報もまとめて探しやすくします。


認知症の相談窓口も分かりやすく

認知症について相談できる窓口の情報も公表します。


公表されるのは、相談窓口の名称、所在地、電話番号、相談できる日など、認知症の人や家族が相談するときに必要な基本情報です。


市町村は、認知症の相談窓口を設置したときや、おおむね年1回など、市町村が必要と判断したときに情報を公表・更新するよう努めることとされています。


すでに登録されている地域包括支援センターの情報については、改めて入力する必要はありません。


事業所の情報を新しく保つことが大切

介護サービス情報は、できるだけ新しい情報を公表することが大切です。


そのため、都道府県などは毎年、報告・調査・情報公表についての計画を作成し、事業所から確実に報告してもらい、最新の情報が公表されるよう取り組みます。


また、公表している基本情報に変更があった場合には、事業者からの報告をもとに、速やかに情報を更新することとされています。


介護事業者にとってのポイント

介護事業者にとっては、毎年の報告を正しく行うことが重要です。


特に、基本情報や運営情報だけでなく、対象となる事業者は財務状況が分かる書類についても報告が必要になります。


また、調査の際には、報告した内容を確認できる記録や書類などを準備しておく必要があります。


ただし、調査は事業所の取り組みを「良い・悪い」と評価するものではなく、公表する情報について事実を確認するためのものです。


今回の改正を簡単にまとめると

今回の改正のポイントは、「介護サービスを選ぶために必要な情報を、より広く、分かりやすく公表する」ということです。


  • 介護サービス事業所の基本情報・運営情報を公表する
  • 対象となる事業者は財務状況も報告する
  • 必要に応じて事業所の情報を調査する
  • 地域包括支援センターの情報を公表する
  • 有料老人ホームの情報を検索しやすくする
  • 配食・見守りなどの生活支援サービスも公表する
  • 認知症の相談窓口の情報も公表する
  • 介護サービス情報公表システムで情報をまとめて確認できるようにする

介護サービスを利用する人にとって、事業所の情報を比べて選べることはとても大切です。今回の改正は、介護だけでなく、高齢者の生活を支えるさまざまな情報をまとめて探しやすくすることで、住み慣れた地域で安心して暮らせる環境づくりにつなげるものです。