出典:厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1455」
掲載日:令和7年12月26日

訪問介護のサテライト(出張所)とは?

訪問介護事業所では、本体の事業所とは別の場所に「サテライト」と呼ばれる出張所を設置することができます。サテライトとは、本体事業所と一体的に運営される小さな拠点のことです。この制度を上手に活用することで、より広い地域に介護サービスを提供できるようになります。

厚生労働省は今回、このサテライト制度の活用をさらに推進するよう、各都道府県や市区町村に呼びかけています。

なぜ今、サテライトが注目されているのか?

日本では、高齢者の数が今後減っていく地域が増えることが予想されています。特に、山間部や離島などの人口が少ない地域では、介護サービスの利用者も減少することが見込まれます。

しかし、地域に住む高齢者の方々にとって、訪問介護は住み慣れた場所で安心して生活を続けるために欠かせないサービスです。サテライトを設置すれば、必要な人数のスタッフを柔軟に配置しながら、広い範囲でサービスを提供することができるようになります。

サテライトを設置するための条件

サテライトを設置するためには、以下の5つの条件をすべて満たす必要があります。

1. サービス提供の一体管理
利用者からの申し込みの調整、サービスの提供状況の把握、スタッフへの技術指導などを、本体事業所とサテライトが一体となって行うこと。

2. スタッフの勤務管理の統一
スタッフの勤務体制や仕事内容を、本体事業所が一元的に管理すること。また、必要な時には本体事業所や他のサテライトからスタッフの応援を受けられる体制を整えること。

3. トラブル対応の統一
利用者からの苦情や、サービス提供中の事故などに対して、本体事業所とサテライトが一体となって対応できる体制を作ること。

4. 運営ルールの統一
事業の目的や方針、営業日、営業時間、利用料金などを定めた同じ運営規程を使うこと。

5. 人事管理の統一
スタッフの採用、給与、福利厚生などの労働条件を、本体事業所が一元的に管理すること。

ICT機器の活用で連携を強化

厚生労働省は、本体事業所とサテライトの連携をより密にするために、ICT機器(情報通信技術を使った機器)やケアプランデータ連携システムなどの活用を推進しています。

これらのツールを使うことで、離れた場所にあるサテライトとも、リアルタイムで情報を共有したり、効率的に業務を進めたりすることができます。

地域の実情に合わせた柔軟な対応を

サテライトの設置にあたっては、本体事業所との距離や地域の実情を十分に考慮することが大切です。それぞれの地域のニーズに合わせて、柔軟にサービス基盤を整備していくことが求められています。

今後も、高齢者の方々が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、訪問介護のサービス体制を計画的に維持・確保していくことが重要です。